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  さよなら・・この世界から去った人

ここでは、BBS内で大反響を受けたノンフィクション「さよなら・・この世界から去った人」の
全編の掲載とそれへの皆さんのご感想を載せているところです。
一読の価値は十二分に御座います。お読みください。


【題名】さよなら・・この世界から去った人
【作者】DAI
【日時】2001/06/16 23:32:49
より転載。


僕にはver1を始めた当初現実でも知り合いの人が3人いました、
その中の一人は女性キャラ名は「ANGEL」で「ハニュ」でした。
3人とも同じ歳で学校も一緒だったんです、だから昼は学校で
夜はオンラインでというふうに遊びっぱなしでした。

いつものように夜、オンに繋いですぐ検索・・・4人そろったら冒険
開始そんな夜が続いてました。集まって普通に冒険、普通に会話、、、そんな毎日でした。

ANGEL「ダイってさ~何でそんなにレベル高いわけ?」
普通に・・・
ANGEL「普通にやってそれ!?」
いや・・普通にやらないとOKw
ANGEL「学校サボってるのって・・」
OK、ボスw
他1「お前のサボりってそれかよ!」
ANGEL「ボスってなによ!」
ボス、ボス、ボス(他のメンバーはこの時無視してた気がする)
ANGEL「やめないと、明日学校でアタックするよ」
すぐ黙る・・
他1「・・・喋ってないで逝こう」

微妙な誘われ方でチーム編成に・・・
そうそう、彼女は元バレー部所属、バリバリのアタッカーだったのだ、怒らせると大変で「ANGEL」とはほど遠かった・・
発売してからしばらくはそんな調子で皆で冒険したり
アイテムの事で盛り上がっていました。
それでもver1が発売してから2ヶ月もすると
他に知り合いが出来たりして3人で一緒に遊ぶって事が
なくなってきました、でも時々は一緒に冒険してましたし
学校で合ってたしなんとも思ってなかったんです

だけど・・それから1ヶ月ばかりした時、ふと気づいたんです・・
最近、ANGELがオンラインに来てないって、やっぱり一緒に
遊ばなくなったとはいえ気になって学校で聞いてみたんです
そしたら「最近、忙しくてON出来ないだけ」ってバレーの強烈な
アタック付き(さっきも書いたが全然ANGELではなかった)
で返されました、その時はそろそろ受験だし勉強か・・って
考えてたんです。でも、原因が別だってその時
気づいてあげれたらよかったんですが・・

その後、数日したら受験(受験生なのに自分は遊んでた)も終わり
学校始まるまでPSOで奮闘しようと考えオンラインに行ったんです
すぐ検索・・・ANGELがいました。
ボッス~
ANGEL「恥ずかしい奴ね・・・」
いいじゃん、一人かい?(一人しかいないのだが一応聞いた)
ANGEL「・・・まあね」
じゃあ、もぐろう!
ANGEL「久しぶりだしね・・・いいよ」
チーム作るよ~{エンジェル}でいいな?
ANGEL「まあ、いいけど・・・」

この時やけに「・・・」を付けてるANGELに疑問を持ちながら
部屋を作り冒険を始めた自分はLv99なのだが、ANGELはLv68
遺跡に行き戦闘が始まるとANGELはチェ○ンを振り回した、
普通に見ていたのだがそれは自分があげた物だと言うのだ
かなり前にあげたはず、よくロストしないで残ってたなと思っていた
のだがANGELが言った言葉に驚いた、なんとあげた時からこのキャラは
ONでは使ってないと言う。
ANGEL「あんたが折角くれたのに消しちゃったら悪いじゃん」
そんな、気にしなくていいのに。
(なら、なんで今日はONに居たんだろう?)
ANGEL「・・・・」
?(なんなんだ?さっきから。)
ANGEL「気にしない気にしない」
まあ、折角なんだから楽しまないとね

その時、2人の男性?が入ってきたんです。
男性1(2)「こんばんはーいいですか?」
いいですよ~(もちろん、断る理由はない)
ANGEL「・・・・・」
{(ん?)ANGELの「・・・・」の表現にちょっと戸惑った。}
ゲートだしましたよ~
男性1(2)「どこですかー?」
遺跡ですよ~
男性1(2)「遺跡か・・OKこれだね」
次々と降りてきた、その手にはス○ニやヘ○ン?
と思われるものが握られていた。別にあの時にはそうゆう状況だったし自分はなんとも思わなかった・・だけど。
男性1(2)「あれ?チェ○ンじゃん」
ANGEL「何か?」
(嫌な予感がした)
男性2(1)「○ー○かい?」
男性2(1)「それもいいけどVHキツイしそのLvだと辛くない?」
男性1(2)「それよりス○ニなら余ってるからあげれるよ」
的中した・・・あの時の状況、それも仕方がない事、だが・・・
ANGEL「・・・・」
男性1(2)「なんだ本当なのか?」
男性2(1)「まあ、気にしないからいいけどね」

彼らは自分らが手に持つ物を外しもせず言っていた、
体が熱くなった、その時。
ANGEL「 I have already lost the
       initial feelings of happiness」
途切れ途切れだったが確かにANGELはそう言った
自分は英語がよく分からない、なぜ英語なんだ?
なんて意味だ?ってそう聞こうとした時・・・

ANGELが落ちた

え!?
男性1(2)「なんだ?」
男性2(1)「意味分かった?」
男性1(2)「辞書、辞書」
すいません、自分も落ちます

有無を言わさず自分も落ちた
その後、彼女の携帯に電話した・・・何度か鳴ってから彼女が出た
どうしたんだ?なんて意味?(いきなりそう言ってしまった)
彼女「○○(実名)は楽しい?」
え?
彼女「私はさ・・・」
どうした?(沈黙は耐えられなかった)
彼女「ん~ん、何でもない、学校合格できるといいよね」
・・・・・(話しを変えられた)
彼女「まあ、いいじゃんそろそろ辞めてもさ」
え・・・(辞める事に対して自分が何かを言う資格はない)
彼女「って事で私は辞めるわ!」
ちょ、ちょっと待て!!ver2もやらないのか!?
彼女「どうしようかな・・・」
約束しろ!ver2では復活するって!(熱くなってた)
彼女「まあ、考えとくね」
よし!絶対戻ってこいよ!(考えとくっていってるのに・・)

その時は深く考えず会話をしたが携帯を切った後、
ANGELが言ったセリフが気になり調べてみた
「楽しい」「気持ち」「最初」なかなか分からず自分の英語力の
無さに嫌気がさしながら調べていく・・・
理解した、そして同時に絶望した。
彼女は最初から今日で辞めるつもりだったのだ

僕はその後、自分もver1を辞めた・・他のプレイヤーに
置き土産を残して、彼女が言った意味を自分はそうとったから
そうゆう行動をした、別の理由を付けて・・・・

彼女とはその後連絡は取り合ってなかったが
ver2には戻ってくるだろうと思っていた。
そして6月7日、、、彼女ならきっと来てくれる、
ver2を買ってなくてもver1のキャラで必ずきてくれる。
そう信じていた、だがいくら時間が過ぎても来ない・・・
愕然とした・・まさか来ないなんてそんな事考えてもみなかった。

次の日、夕方にでも携帯に電話してみようと考えながら
学校へ行った、学校に着くと前の学校でも一緒だった友達が

友達「昨日、○○さんが亡くなったって」
・・・え?
友達「今日の新聞見てない?」
嘘だ・・・
友達「・・・図書室行ってみな、新聞置いてあるから」

走った全速力で・・そんなはずがない・・
新聞、どれでも良かった真っ先に掴んだ新聞をめくってみる。
「○○市で車にひかれ○○歳死亡」
!?(内容を急いで見た)
○○市で(~省略)○○○○さん○○歳、死亡
その場に座り込んでしまった・・テレビで見てたような事が
自分の周りでおきるとは・・・彼女は本当に亡くなってしまったのだ。
彼女は来なかったのではない、、来れなかったのだ・・・・
人の死が凄く近くに感じられた・・・・
自分は一つ新しいVMを用意してあった。
彼女が戻ってきた時、きれいな状態で彼女を迎えてあげたかった
からだ、今そのVMに新しいキャラがいる
キャラ名「angel」、ハニュ、青髪で青い服・・・
彼女と一緒のキャラ・・・
これからも彼女の「ANGEL」は生き続ける・・・
僕の「angel」と一緒に・・・
彼女は僕に沢山の事を教えてくれた、
ここに書き記せないくらいの沢山の優しさ
このゲームに対する本当のあるべき気持ち、そして答え。
なにより命の尊さを・・・・・
さよなら・・この世界を去った人・・・
さよなら・・永久に時を刻めぬ人・・・
さよなら・・永遠に伝えられない気持ち・・・


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