幻灯華

静かにゆれる電車の中で
おばさん達が笑い
酔っ払いがウトウトし
カップルは語らう

ドアが開くたびに
顔ぶれは変わり
扇風機の上の電灯が
チカチカと瞬いた

形態から目をそらすし
ふと足元を見ると
黄色く照らされた床に
安全ピンがひとつ

駅に着くたびに
人に踏まれ、床を踊る
白い布でそっとすくい
私は席を後にした

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