静かにゆれる電車の中で
おばさん達が笑い
酔っ払いがウトウトし
カップルは語らう
ドアが開くたびに
顔ぶれは変わり
扇風機の上の電灯が
チカチカと瞬いた
形態から目をそらすし
ふと足元を見ると
黄色く照らされた床に
安全ピンがひとつ
駅に着くたびに
人に踏まれ、床を踊る
白い布でそっとすくい
私は席を後にした
静かにゆれる電車の中で
おばさん達が笑い
酔っ払いがウトウトし
カップルは語らう
ドアが開くたびに
顔ぶれは変わり
扇風機の上の電灯が
チカチカと瞬いた
形態から目をそらすし
ふと足元を見ると
黄色く照らされた床に
安全ピンがひとつ
駅に着くたびに
人に踏まれ、床を踊る
白い布でそっとすくい
私は席を後にした
懐かしく思えるほど
穏やかに触れる
微かに感じるそれに
今はただ、目を細めた
校庭を走った後の
蜂蜜の様にむせて
時計はぎこちなく
針をゆっくりと進めた
春、麗らかな日
ゆるやかな水辺に手をひたす
かつては熱くたぎり
湯気が立ち込め 沸いていた
葉が落ち 雪が溶け 感じるのは
僅かなぬくもり
指に絡みつくそれも
夏を迎える私には冷たさが心地よい