帰り道に

 詩集

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◆ 02/06/14 されど愚考する
何時までも消えぬあの夢を見て歩いて行く
行けるかも分からぬまま、ゆっくりと
今とあの頃を比べ落胆し、前へ
進め足よ! 悔いを呑み込み、遠くに 

何も望まぬとは想いしも、彼方から来る事は無く
めぐり めぐらせては、苦しみ、あえぐ
信じてはいれども 長さが焦せる
それを傍観する私もまた 苦虫を食む

遠い星を探る。独り芝居とは思いつつも
上辺だけの言葉が行き交うかは知らない
そうでなければ良いと、思いしも
結局どうなのか? 返りもしない問いを重ねる

何時までも一時も忘れる事無く
いるなど出来るものだろうか
不安に負けてはならない
誰も気が付かないとしても 

◆ 02/06/15 見上げて
象牙色が目を突き刺す
朧げな視界に立ち
赴くまま爪弾く
暗闇に抱かれて眠れ

◆ 02/06/16 ひととき
たまに取れた休暇は、一日寝て過ごすの
やる事は沢山、だけど布団の中
たまには良いでしょ? たまにはねって、遠くで
お風呂の後は、アイス食べてぬくぬく( ̄∇ ̄)~♪

のろのろと続く、他愛ないおしゃべり
私にとってそれが一番しあわせ
今はそれがよいと思うのだけれど
それじゃいけないと、周りは言うの

そろそろ、いかなきゃ今日もお仕事
言いたい事は沢山。でも、あなたは
お風呂にご飯? なにしてるやら
テレビみたいに返事の無い挨拶して いってきま~す

昔を懐かしく、思い出に浸り
画面見ながら にやにや あはは
三角窓から くるくるのぞく ブルー
布団で穏やか、TVで熱狂、今日はだるいわっ

四角いプリンを爪弾きながら
目の前15センチの床を見つめる
埃が目立つ、明日はお掃除?
顔も洗わなきゃ、今日はお休み

◆ 02/06/17 何度も繰返す
あの時は全てが輝いていた
夢や日常や…
今は長い影が落ち 暗闇が見渡せる
しかし、いとおしいのは何故か

じい と見つめる
止まる事で捕まえた
ゆっくりと握り締める
一時も逃さぬように

◆ 02/06/19 帰り道に
橋の上で思う。1000里先を。
道に書かれた印は、彼方を示し
遠くを差すそれに、私は思い知らされる。
ぼんやりと雲が覆う山並みを見て…

するはずの無い塩と埃の香り。
爪弾く言葉は届かず ただ、ただ―――
文字が交錯する世界。
冷たい音と、虚しく熱い心と。

確かにあるのだ、遠くに。
冷たい旋律を奏で、世界は回る。
紅く蠢くものを載せて
確かにあるのだ。私も彼方も。

暖かく包まれながら青い視界が近づく
引きづり出された私は、地平を見つめシャッターを切る
まっすぐな線とまっすぐな面
二つを近づけるのは何時だろう?

三文詩人のように くるりくるりと
もだえるが、道はひとつか それとも?
行きつ戻りつ くどく繰り返す
私は…と。遠くを見つめながら

扉ヨ開ケ! と、叫べよ私
安堵こそ私の悪魔だ
扉を前に足が止まる。
目の前にある見知らぬ顔に

苛つかせる小さな羽音の中で だらしなく横たわる
長くなればなるほど爪弾く私はどうなのだろう
ようやく一つのの終わりが見える 深い谷と高い山が幾つも
振り向けば 足跡はすぐに消えていくのだ

何もせずに過ごす事がどんなに幸せか
何もせずに過ごす事がどんなに苦痛か
涙を飲み 心を躍らせる
それすら許されぬとしたら

眠気と尿意、腹痛と頭痛に悩まされ
惰性と分からぬ情熱とが突き動かす
五月蝿い隣部屋と箱を遠くに感じ
降りてきた明日に身を任せる

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