月別アーカイブ: 2002年6月

今はII

私の言葉に動揺し 踏み外さないように
バランス取り しかし、優しく包み込む
力無く見つめ 足りない言葉に 黙りこむ
私はただ…いや、  。

時折置かれた 書置きを見ては 揺れ動き
毎日無いかと探してみる 結局無いのだけれど
探してみる 私書箱はいつも空
往復はがきだけ売れていく

黙り込む時間 恐れる二つの窓
勘違いされる事を嫌い
応えて饒舌になる 切れないように
ひらリひらりと 闘牛を御す

今はI

何時からだろう 遠くばかりを見るようになったのは
あちらへ行くほど 輝きが増し、辺りは翳む
結局は変わりはしないのに
私は見逃しながら見つめている

辺りは鬱々とした空が漂い
黄昏が詰め込まれている
泥に埋もれた地平は 離れを薄くする
もがいて進んだとしても、変わらぬ風景があるばかり

一万年待った。と聞き   考える
どこまで待てるだろうかと
道は無く、先はどこにあるや
歩き出して間もない 今迷うにはまだ早い

きれいな曇り空の下で

綿地の空が木枝からのぞく
下には白い墓標の群れが見え
向こうを気にする事もなく
喧騒と紫煙の臭さが身にしみる

自身の無さと寂しさに
口が開き、紛らわす音で溢れる
焦りと期待が先に立ち
頁を手繰り寄せる手は忙しい

漂う無力感に抱かれて
虚空を見つめ思いに耽る
浪費した時を数え
次の道へ歩みだす

金色に輝く流体と
ゴミに囲まれ 下に俯き
煩さに身を離し
レンズの向こうに何を見るや?

小さなwindowsを見つめ
豆腐の角を叩きのめす
やる気の無い眼差しを向け
熱心な言葉を吐き出す

一時の空白、空いた流れ達
自分に関係無いかのように
短い影を落とし
ただひたすら じぃと 彼らはたたずむ